日々の泡沫

カテゴリ:詩撰集( 60 )

すずろ

コニャックの酔(え)いのあとなる
やわらかき
このかなしみのすずろなるかな


眠れない

どうにもしようがないということがあるんだ
ということをはじめて実感した
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by hibinoutakata | 2011-05-22 03:35 | 詩撰集

こころ

こころ

うるおいは心の生花
なぐさめは心のすず
愛するは心のカスガイ
こころ この旅ゆく舟
日々よ凪であれ


                ~ 「詩集 甘い唄」より 青柳繁喜 ~


妹が上京し
西荻の骨董屋や古着屋を
歩いて見てまわっていたら
それは素敵な詩集に出逢いました

新たな言の葉に出逢えるのは
幸せ
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by hibinoutakata | 2010-10-05 23:29 | 詩撰集

深き谷



世の中のうきたびごとに身をなげば
               深き谷こそあさくなりなめ


                        - 古今和歌集 よみ人しらず -



いやそこまで思いつめてはいませんが
今も昔も考えることに然したる違いはないのだなぁと

夜空に向かってえいやっと身を投げたくなる
衝動にかられることが最近とても多い

あぁ 楽だろうなぁ
と思う

こんなとこに書くくらいなので
実行などしないことは明らかですが

本当にふとそう思うくらい
逃げに走りたい
心の現れかもしれない

自分で決めたことなのに
相方に迷惑かけっぱなしで
情緒不安定な日々

やってみるしかない
っていうのがわかっているだけに

はふぅ

なんだかないようがおもいし
あたまのなかがいまいちくねくねなので
サラをのせてみる
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はふぅ
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by hibinoutakata | 2008-12-16 23:40 | 詩撰集

秋のこころ



水のおとが きこえる
水の音のあたりに胸をひたしてゆくと
ながされてゆくと
うつくしい世界がうっとりとあかるんでくる


                    - 八木重吉 -



夜風がひいやり心地よい
いい季節です

秋 だいすき

最近夏のあいだに多少落ちていた食欲が戻り

食欲旺盛
そして
食事作り欲旺盛

食欲がない時は
作る気力もなかなかわきませんから

今夜は
だいこんとにんじんをごしごしすって作ったドレッシングを

サラダ菜
かぼちゃ
ししとう
エリンギ
オクラ
にんじん
松の実
ガーリックチーズ

のサラダにかけ

週末なので奮発し
少しのお刺身と
少しのローストビーフとともに食しました

もちろんぬか漬けもおともに

野菜中心にご飯を食べると
身も心も洗われる心地がし
それだけでなんとなく気分がよい
単純ですが

少しづつでもいいから
たくさんの種類のお野菜を一度に
を最近のテーマにしています

そんなに手間かからないしね

無理をせず
できるところから
精神衛生管理を

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by hibinoutakata | 2008-09-13 23:16 | 詩撰集

白い雲


白い雲

秋のいちじるしさは
空の 蒼を つんざいて 横にながれた白い雲だ
なにを かたっているのか
それは わからないが
りんりんと かなしい しずかな雲だ

                    - 八木重吉 -


久しぶりのいいお天気
屋上に布団を干しにいきました

日差しはまだまだ強いけれど
肌にふれる風はかすかにひいやり秋のにおい

お盆に福岡に帰ったときに
福岡の空はなんてかっこいいんだろう
って
何回言ったかわからないくらい
福岡の空と雲のコラボは実に芸術的だった

たぶん山が近いからだろうね
っていう結論を勝手に出してしまったけれど
これだけはっきりと違いがでるのはなぜなのか
不思議でたまらない

福岡の空にはぜんっぜんかなわないけれど
今日の東京の空もなかなかかっこよかった
重吉さんの白い雲をふと思い出しました
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by hibinoutakata | 2008-09-02 14:36 | 詩撰集

One of my favorite poems


騙されるな


人は何かひとつくらい誇れるもの持っている

何でもいい、それを見つけなさい

勉強が駄目だったら、運動がある

両方が駄目だったら、君には優しさがある

夢をもて、目的をもて、やれば出来る

こんな言葉に騙されるな、何も無くていいんだ

人は生まれて、生きて、死ぬ

これだけでたいしたもんだ


                   -「僕は馬鹿になった。」 ビートたけし-


以前にも載せた気がしますが
好きなものは何度でも載せます

大切なものは
触れるたび
違う温度を発します

同じものでも
まるで違うものと
なり得ます

それはきっと言葉でも絵でも人でも
何でもそうでしょう

今日また本棚をふらり見回していたところ
目が合ったので紐解きなおしてみました

ビートたけしさんの連ねた言葉はいつ触れても
ぐわり迫るものがある

さまざまに連ねられた言葉たちは
さまざまな雰囲気と角度と温度を持っていて
そのすべてがビートたけしさんその人となり
なのでしょうけれども

どの言葉も圧倒的確かさを以って私に迫ります

生々しい

でもそれが人間

きれいごとだけじゃ生きられない

幸福
悲哀
自虐
そして溢れんばかりの愛

世界の北野の
底辺
ここに

勝手ながらそんな感じです
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by hibinoutakata | 2008-08-30 23:21 | 詩撰集

元素智恵子


智恵子はすでに元素にかへつた。
わたくしは心霊独存の理を信じない。
智恵子はしかも実存する。
智恵子はわたくしの肉に居る。
智恵子はわたくしに密着し、
わたくしの細胞に燐火を燃やし、
わたくしと戯れ、
わたくしをたたき、
わたくしを老いぼれの餌食にさせない。
精神とは肉体の別の名だ。
わたくしの肉に居る智恵子は、
そのままわたくしの精神の極北。
智恵子はこよなき審判者であり、
うちに智恵子の睡る時わたくしは過ち、
耳に智恵子の声をきく時わたくしは正しい。
智恵子はただ嘻々としてとびはね、
わたくしの全存在をかけめぐる。
元素智恵子は今でもなほ
わたくしの肉に居てわたくしに笑ふ。


             - 高村光太郎 「智恵子抄」より -


発狂した妻に寄り添い
死後なお
これほどまでに想いを寄せる

高校の国語の授業で
レモン哀歌に
出逢い
撃ち抜かれ
以来

幾度も繰り返し読み
何度読んでも
涙に堪えない

私のバイブル
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by hibinoutakata | 2008-08-17 22:45 | 詩撰集

沈める寺



 全世界の人間が死の論証を求めている しかし誰一人として死を
目撃したものはいないのだ ついに人間は幻影にすぎず 現実とは
かかるものの最大公約数なのかもしれん 人間にとってかわって逆
に全事物が問いはじめる 生について その存在について それが
一個の椅子から発せられたにしても俺は恐れねばならぬ 現実とは
かかるものの最小公倍数なのかもしれん ところで人間の運命に憂
愁を感じ得ぬものがどうしてこの動乱の世界に生身を賭けることが
できるだろうか ときに天才も現れたが虚無を一層精緻なものと
しただけであった 自明なるものも白昼の渦動を深めただけであっ


 彼はなにやら語りかけようとしたのかもしれない だが私は事実
についてのみ書いておこう はじめに膝から折れるように地につい
て彼は倒れた 駆け寄ってきた人たちのなかでちょうど私くらいの
年ごろの青年が思わずこんな具合に呟いた「美しい顔だ それに悪
いことに世界を花のごとく信じている!」


                      - 田村隆一「腐敗性物質」より -



昨日、一匹の蝉が
エレベーターホールに佇んでいた


一週間しかないのに


こんなところにいたらだめ
絶対


自分で触る勇気はどうしてもでなくて
つかんでもらって外に飛び立たせた


久しぶりに
間近で蝉を見た
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by hibinoutakata | 2008-08-04 23:01 | 詩撰集

西武園所感  ある日ぼくは多摩湖の遊園地に行った


詩は十月の午後
詩は一本の草 一つの石
みみっちく淋しい日本の資本主義
ぼくらに倒すべきグラン・ブルジョアがないものか
そうだとも ぼくらが戦うべきものは 独占である
生産手段の独占 私有生産手段である
独占には大も小もない すでに
西武は独占されているのだ
君がもし
詩を書きたいなら ペンキ塗りの西武遊園をたたきつぶしてから書きたまえ
詩で 家を建てようと思うな 子供に玩具を買ってやろうと思うな
  血統書づきのライカ犬を飼おうと思うな
  諸国の人心にやすらぎをあたえようと思うな 詩で人間造りができると思うな
詩で 独占と戦おうと思うな
詩が防衛の手段であると思うな
詩が攻撃の武器であると思うな
なぜなら
詩は万人の私有
詩は万人の血と汗のもの 個人の血のリズム
万人が個人の労働で実現しようとしているもの
詩は十月の午後
詩は一本の草 一つの石
詩は家
詩は子供の玩具
詩は 表現を変えるなら 人間の魂 名づけがたい物質
  必敗の歴史なのだ
いかなる条件
いかなる時と場合といえども
詩は手段とはならぬ
君 間違えるな

                - 田村隆一 「腐敗性物質」より -



はい



或る方にに薦められ、詠んでみました
すごい
響いたものを少しずつ載せていきますが
すごい
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by hibinoutakata | 2008-08-01 13:41 | 詩撰集

逢引 5



水密桃は残酷なくだものだ。鼻をつく芳香、あわい
色、うすい皮、ざらついた産毛のむずがゆさ。だが
何よりも憂鬱なのは、噛むと口中にひろがる、あの
いちめんに濡れて、濡れて、濡れてやまない過剰な
うるおいの感覚だ。なぜ、こんなにしたたっている
のだろう。ただ甘美な汁のたゆたいだけをぴっちり
とつつみこんだ果皮のうすさの、なんというみだら
な不幸。ぼくは、結局、都会にしか生きられないの
か。


                   - 松浦寿輝詩集より -



最近毎朝、バスに揺られる10分間が
愉しい読書タイムになっている。
読書に10分は短いと感じるかもしれないが
詩であれば3~4篇は十分堪能できる。
TchaikovskyやVivaldiを大音量で聴きながら
それらに添う本を選んで読む。
自然と気持ちが落ち着いて、さぁ今日もがんばるぞ
そんな気持ちにしてもらえる。
再会したばかりの詩集に、まだ見ぬ一篇が。
うるおいに満ち満ちたことばたち。
この方の手にかかったことばたちは
なんとも幸せそう。
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by hibinoutakata | 2008-07-18 23:18 | 詩撰集